【今年の御注連張の経過】

今年の御注連張の儀は、初冬の穏やかな陽光を浴びて午前八時過ぎ、堂童子当役鏡善坊と後住(来年の堂童子)兄部坊両住職によって、鏡善坊門前に注連(*1)が張られる儀式から始められました。

その後の次第は、内仏で若麻績一山住職によって、御法楽(*2)、その後、赤飯振舞い(*3)、三巡の儀(*4)を経て、午前9時頃、無事終了しました。

(*1):注連について

のれん注連、垂れを「四手」という。
 和紙を三方四下りに切り口を入れ、紙を手前・手前に引いて折る。稲穂の垂れ下がった姿を形どったもので、豊作を願う神事に使われたものが、神聖清浄などの意味を持つようになった。これは神主がお祓いに使う「幣帛(へいはく)」や相撲の横綱の綱にも結ばれる。

 堂童子注連は、門前のほかに、仏間、行事の間、勝手、竈と御供所の玄関、御越年式の間にも張られた。 (本文)

*2:御法楽

 法楽は、若麻績中一臈を導師に、般若心経七巻の後、庚申呪。(オンケンバヤソワカ(七辺)、一字金輪ボロン・ボロン) (本文)

*3:赤飯は4斗5升を炊いた。

赤飯の色づけは古例にならって、食紅を用いず小豆の煮汁を使用する。

赤飯振舞い
膳は2人に一膳、ゴマ塩は皿に、経木のサジをつける。
赤飯4斗5升は、先ず朝五時半、紋入り重箱二重を、お供を伴い本堂如来前に矢ハズに供えて、当役が看経、6時頃より大勧進、大本願、浄家一山の他、所縁の方々100カ所へお手伝いによって手分けして配布された。

漬け菜は野沢菜を重箱に二寸五分の長さで2列盛り込んだ二重を、上座から取り廻す。(本文)

*4:三巡の儀

上座にて、先ず、一臈より三つ組最上部の盃をうけて乾す
次、一臈より、昆布を懐紙にとって当役に布く
次、当役は一臈に盃を向け、昆布を布く
次、当役は二臈に盃を向け、以下、盃が上座から下座まで2巡する。3巡目は、下座より上座に戻って、盃を元の位置に戻す。
次、煮しめ(しいたけ、結カンピョウ、コンニャク、ごぼうニンジン)二重が上座左から回され、各自赤飯茶碗に取り分け、茶が出て雑談し終了。(本文)

なお、もち米・小豆、野沢菜などの材料を御奉納下さった方々、心を込めて仕込み、作って下さった方々、行事の進行にお手伝い下さった方々、皆様のお力添えにより、当家では13年ぶりの赤飯作りでありましたが、4斗5升の大量のお赤飯や野沢菜、煮物が大変においしく仕上がり、皆様方からおほめの言葉を頂いて、連夜寝不足で頑張った一同ホッと安堵し、堂童子行事の第一幕が順調にスタートしました。

御 奉 納   

一、輪島塗総黒金縁二ノ膳付足高膳、七ツ椀20人前揃

長野市吉田町   池田 忠人 様
長田清太郎 様

一、もち米 新潟県産「初音こがね」

新潟市西山    大沢 秀夫 様

一、小豆 北海道産小豆

長野市西後町  宮下製あん所 宮下 勝美 様

一、野沢菜

上水内郡鬼無里  小林 寿亀 様

一、だし昆布

長野市氷飽    野池 悦子 様

一、献酒

「開運」

 静岡県大東町   土井酒造場 様

「百楽門」

奈良県御所市    葛白酒造 様

「北雪−鏡善」

長野市石堂     はちの子 様

ほか

お手伝い頂いた方々

浄家一山奥様方、鈴木氏、宮原氏、斉藤氏、北沢氏、岡沢氏、山本氏、森田氏、伊藤氏、滝沢氏、今井氏、小林さん、野池さん、曽山さん、山条さん、赤沼さん、坂口さん、湯田さん、根岸氏、坂田氏、安達氏

※堂童子の経過は各行事が終了後、できる限りお伝えしたいと思いますので、お楽しみ下さい。


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