【御松立】

御松立では次の三つの儀式が行われました。

1.御備え餅の如来前への備え付け
2.御本堂正面向拝に松一対を飾付
3.大勧進・大本願での祝儀

1.御備え餅の如来前への備え付

御朝事の後、前日夕刻に堂童子宅から新しい畳表に包まれて運ばれていた、五重の御備え餅を御備え台にのせ、最上部には福袋(中には米2合・カヤの実・黒豆・銀杏・栗をそれぞれ5粒いれる)、及び心松2本・豆がら2本・青板昆布1枚・串柿3本を一緒に括り、のり入れ紙に包んで水引をかけたもの。

裏白の上に橙をのせて、台家奉行の取り次ぎで如来前に備えられました。

同時に、堂童子からは修正会に使われる橙ゲ一対を、台家奉行からは、正月15日間、堂童子壇で使われる香炉、修正会で使われる六器(6枚の金属の皿)などが交わされました。

飾り物について…

いずれも日本人の祈りである五穀豊年、家族繁栄などの願いがこめられています。

3本の串柿は「外はニコニコ、中ムツマジク」の意味にこめられ、1本は中央に6個をさし、2本は両端に2個ずつさしました。

裏白は、常緑のシダ(歯朶)、歯は年齢、朶は枝、「裏を返しても心は潔白、白髪になるまでの長寿をあらわすといわれ、また古い葉が落ちないで、新しい葉が重なるので、家族の繁栄を示すといわれます。

堂童子壇香炉

奉寄進 御香炉个 信州善光寺阿弥陀仏前 右所志者為 清照殿 光譽了月大婦 七回忌追善也 維付 宝永二乙酉年(1705)六月十五日 信心之願主 法名 定誉寿軒 敬白 俗名 永井甲斐守

2.御本堂正面向拝松飾

御松はやしの記事にも述べた如く、駒形嶽駒弓神社から、年番総代・小林容右氏らによって切り出された御松、竹3m余が12月25日奉納となり、12月30日夕、善光寺職員によって正面向拝灯篭までの丈2m70cmにそろえられて、根元を上から縄で「七・五・三」廻りに結ばれて飾られたのを、当日、先の1.に引き続いて一山が見分し、堂童子、後住、又後住は黙祷、心経一巻をあげて祈念しました。

3.祝儀

両寺での御祝儀(三種三献)は、常の通りに行われました。大本願では、
前御法主 一条智光上人が昨年1月25日、95歳で御遷化なされ、お寂しい新年となることから、一同で追善供養をし、おなぐさめ申し上げました。


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