善光寺の年中行事については、坂井衡平氏が『趣味ある古風及び郷土の風俗を含める 善光寺の開基、本田善光卿が千三百年余りもの昔、善光寺如来を自宅に迎えてお仕えしていたその姿で、如来さまのお給仕をすることと伝えられている「善光寺堂童子」の御役の年にあたり、表だっては、平成十二年十二月一日御注連張りに始まる儀式から、平成十三年六月五日「菖蒲渡し」において、仲間共有の堂童子用具(長野市文化財指定)を、次の堂童子に引き継ぐまで、それぞれ古式にのっとってつとめさせて戴き、前三カ年にわたったお役が無事大団円と相成りました。誠にありがたいことと存じております。 この堂童子ホームページは、息子の英亮が大切な学究生活を凡そ二ヶ月間中断して、堂童子の手伝いをしてくれている忙しい合間を見ながら、長野県文化財専門委員、故、米山一政氏による『長野県民俗資料調査報告書7 信濃善光寺正月行事調査報告書』長野県教育委員会発行及び『信濃善光寺秘儀 堂童子』若麻績信雄師発行等を参考引用して作ってくれました。 写真は、彼の他、滝沢さん、井上さん、森田さん、野村さん、白蓮坊敏隆さん等が撮影してくださった中から掲載致しました。 ご覧戴きました地元や全国各地の方々からは、信州の善光寺さんではこんなに貴重な行事が今もなお厳粛に伝えられているのですか、時代の変遷もあろうが日本最古の仏様を奉ずる寺としての誇りを持って永遠に継承してください、私たちの地方ではこんな風習もある等、お励ましも頂戴いただきました事は、このホームページ開設が二十一世紀の日本人の心のもちようや、伝統文化(祈り・信仰)への関心を深めて頂く為に、ささやかな参考となればとの思いがありましたので何よりの収穫であります。 私は素朴な日常生活の中にこそ、人間本来の宗教や信仰の姿があると信ずる視点から、落ち着きましたならば、このような事についても、新たな構想を加えてお届けできたらと思っております。 新世紀幕開けの年に、大切なお役と巡り会えた仏縁に感謝しながら、皆様方のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
平成十三年三月一日善光寺鏡善坊 若麻績 修英 拝
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