胴上げについて    

善光寺臈僧 鏡善坊 若麻績 修英

1. 大勢の力によって、めでたさを祝う
2. 由来は、神事と密接に関連した儀礼・行事
(1) けじめをつける意味。煤払い・節分・年越しなど
(2) 胴上げされる人物の足が、地に着かないことが重要
神聖な状態にあることを示す。肩車にも共通。
(3) スポーツ勝者の監督や立役者の胴上げ。
祝福・勝利の喜びを分かち合う。祝祭という儀礼が無意識の中に込められている。
3. 善光寺御越年の祭事での胴上げ
祭事中に笹事あり、堂童子当役より後住役への引き継ぎの盃事に、謡曲「難波」の一節を謡い、ご祝儀として胴上げをするなり。まことに古風な儀式である。(堂童子絵巻)
堂童子 開山、本多善光郷が1,300年余もの昔、善光寺如来を自宅に迎えて給仕されていた、その古式にのっとって行われる行事。善光寺正月行事として、国の民俗資料にも指定されている。(本ホームページ「堂童子」参照)
4. 胴上げのかけ声
「わいしょ・わいしょ」 元気づけたり、景気づけたりするときのかけ声。
参考「わっしょ・わっしょ」 大勢で重いものを担ぐときのかけ声。
5. 胴上げは3回  七・五・三は吉数。完全な数。
三三九度・万歳三唱・三拍子・しめ縄七五三というように、全体をまとめる働きがある。
6. 所収資料
(1) 鉄腕ダッシュ「最高の胴上げはできるか!?」日本テレビ平成15.11.23
(2) 善光寺の「胴上げ」儀式。
(3) 胴上げ「世界大百科事典」平凡社 解説。
(4) 胴上げ「東都歳時記 商家煤払い」
(5) 胴上げ「日本民俗大辞典」吉川弘文館 解説。
(6) 胴上げ「深谷市 諏訪神社 祭祀行事胴上げ」。
(7) 柳田国男「肩車考」筑摩書房